【SBIソーシャルレンディング】カンボジア・マイクロファイナンスローンファンドは見送り・・・

SBISLで新たなファンドの情報が出ていました。

「SBISLカンボジア・マイクロファイナンスローンファンド」というそうです。

個人的に投資欲が湧く物ではなかったのですが、SBISLにはソーシャルレンディング業界の中で最も信頼を置いているので、取り上げたく。

(ソーシャルレンディング業界で匿名化が進むにつれて、会員限定情報が多くなり、あまりブログで紹介する意味も無くなっているのですが・・・)

内容

ファンドの内容は、SBISLで確認することができます。(登録不要)

以下、引用となります。

ファンドコンセプト

本ファンドは、カンボジアの貧困層や零細事業者を対象としたマイクロファイナンスに対する資金供給をテーマとしています。
本ファンドによる融資を通じてカンボジアの貧困層や低所得者層に小口融資などのマイクロファイナンスサービスを提供することで、人々が貧困から脱して自立した豊かな生活を営むことができるよう支援していきます。

また、フィンテックが生み出した貸付型クラウドファンディングである「ソーシャルレンディング」と、貧困層への小口融資などの「マイクロファイナンス」を組み合わせることで、分配金による『ファイナンシャルリターン』と新興国の社会問題・課題等の解決という『ソーシャルリターン』の両立を目指します。

借手(東証マザーズ上場)のカンボジア子会社のマイクロファイナンス事業

マイクロファイナンス(小規模金融)は、主に発展途上国において、貧困層や零細事業者に向けて、小口の貸付け・貯蓄・保険サービスなどを提供し、貧しい人々が自立し、貧困から脱することを目指すサービスです。
途上国の貧困層の多くは、農業や家畜、野菜の販売、雑貨店などの仕事や事業に従事しており、一定の収入を得ています。これらの事業をより拡大し、収入向上を図るためには資金が必要です。しかし、貧困層や零細事業者は、伝統的な銀行や保険会社などが提供する金融サービスにアクセスすることができません。マイクロファイナンスは、これらの発展途上国で金融アクセスのない人々に、少額の金融サービスを提供することで貧しい人々の所得の向上を支援しています。

最近、この手の案件が増えてきているように思います。

クラウドクレジットの十八番分野に、各事業者が進出しつつあると行ったところでしょうか。

ファンド条件
  • 借手資金使途 :(東証マザーズ上場)のカンボジア子会社に対する貸付資金
    ※借手のカンボジア子会社が行うマイクロファイナンス事業における事業資金
  • 予定年間利回り:3.8%
  • 運用期間:約12カ月
  • 募集額:2億円

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※SBISLのHPより、投資家限定情報を管理人が削除した図

利回り3.8%は低いと捉える方が多いのではないでしょうか。

日本の不動産事業とカンボジアのマイクロファイナンスとの比較なら、カンボジアのマイクロファイナンス事業の方がリスクが高いように思えるのですが・・・

1号ファンドとのことで、これからシリーズ化?するのかはわかりませんが、継続的に資金を集めるのは、なかなか難しいのではと感じます。

投資見送り理由など・・・

ファンドの説明(公開情報)の中で、以下の様な注意書きがありました。

本営業において、弊社はお客様から円建てで出資金の出資を受け、借手に対して円建てで貸付けを行い、借手は借手のカンボジア子会社に米ドル建てで貸付けを行います。なお、本件マイクロファイナンス事業の運営は米ドルを用いて行われ、借手のカンボジア子会社による借手への事業者借入資金の返済は米ドル建てで行われることを予定しており、借手による弊社に対する本貸付債権等の返済は円建てで行われます。そのため、日本円、米ドル相互間の為替相場の変動によっては、借手が借手のカンボジア子会社から事業者借入資金を回収する原資が不足することで、結果として本貸付債権等の返済が遅延し、又は本貸付債権等の回収を行うことが困難になる可能性があります

※赤字への反転は管理人による、弊社はSBISLを指す

貸し付けは米ドルで行われるとのことです。

相応に円高に進んだ場合、回収原資が不足する可能性があるというのは大分リスクが高いと思います。

実際に何%円高になったときに、回収不足懸念が出てくるのか不明瞭です。

(例.3~5%程度の円高ならば、為替によるマイナス分を借手企業は負担してくれるが、5%以上の円高が進んだときは返済原資が減るなど)

「為替変動リスクは全て、借り手企業が負担します」ということであれば、円建てで4%程度のファンドやドル建てで7%程度のリターンが期待できるファンドして他の金融商品と比較できるのですが、それも難しいです。

(当ファンドの利回り水準3.8%+ドル円の1yearヘッジコスト2.8%程度)

2019年7月末時点のヘッジコストを使用

雑記

ちなみに、カンボジアの銀行でドル建ての定期を行うと4~5%程度つくそうです。

https://seishiron.com/ppcb/

https://manetatsu.com/2019/01/165111/

このファンドと同じ水準です。だからどうとまでは書きませんが。

(上記リンク先の情報は、あまり精査しておりませんので、ご留意ください。)

最後に

このファンドより常時募集されている不動産担保ローンの方が魅力的であると、私は思います。

従って、このファンドへの投資は見送ります。

他にも、色々なファンドが随時募集されますので、以下より確認してみてください。

SBIソーシャルレンディング