【Funds】新しい貸付事業者の登場

突然ですが、「クラウドポート」をご存じでしょうか?

ソーシャルレンディング事業者やローン案件などを比較できるサイトを運営していました。

※上記サイトの運営は、2019年1月17日より、株式会社ZUUに移ることになっています。

クラウドポートが「Funds」という、"貸付ファンド"なる物に投資できるサービスを開始することが決まり、ソーシャルレンディング事業(と言って良いのか?)に参入します。

「Funds」貸付ファンドの仕組み

 FundsのHP上で2つの仕組みが紹介されています。

ローン型

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「Funds」のHPより

投資家(私たち)がクラウドポートを通じて別の企業が組成したファンドに貸し付ける形です。投資家に還元される収益は、最終資金需要者の利払いや返済になります。

この枠組みに関しては、ソーシャルレンディングの仕組みと同様であると考えてよいでしょう。

Fundsでは、これを「ローン型」と呼んでいます。

不動産型

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「Funds」のHPより

枠組みはローン型とほとんど同様です。組成されるファンドが不動産事業案件であり、投資家に還元される収益が不動産投資業により出てくる点が異なります。 

この枠組みに関しては、オーナーズブックやCREALの仕組みと同様であると考えてよいでしょう。

Fundsでは、これを「不動産型」と呼んでいます。

既存のソーシャルレンディングとの違い

資金募集者/組成者/運用者の関係

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クラウドポートより

現在問題が起こっているソーシャルレンディング事業者は、募集と組成(運用も同じことも多くある)を実質同じ会社やグループが行っていることが多いです。Fundsのスキームでは、異なる会社が行うことが決まっており、利益相反が起こりにくくなっています

投資家目線で、投資しやすいスキームになっています。

また、組成者と運用者(最終貸付先)はそれぞれ関連会社となっています。

運用者(最終貸付先)の顔を見ることはできませんが、その関連会社である組成企業を確認できますので、匿名化の影響も少ないといえるでしょうか。

資金回収

ローン形態は「リコースローン」です。

リコースローンとノンリコースローンについては、以下カバードボンドの記事で紹介しております。

【安定収益】ニッセイ・デンマーク・カバード債券ファンド 1 - 20代の資産運用記録~長期投資~

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「Funds」のHPより

最終資金需要者がデフォルトしても、ファンド運用者は資金返済の義務を負っています。ファンド運用者の体力が残っていれば、個別事象とは関係なく返済が行われます。

これは不動産型も同様です。特定の不動産事業がデフォルトしても、ファンド運用者の体力が残っていれば、返済が行われます。

運用者に対する一般的な債券と似たような特性を持っていると判断できます。

 

ファンドの募集と組成を異なる主体がおこなっていることファンド運用者に対するンリコースローンであること。

この2点が担保されている点は、既存のソーシャルレンディング事業者とは異なるといえるでしょう。

感じたこと

これらのスキームは、投資家にとって既存のソーシャルレンディングよりもフェイバーですし、マイナスのイメージは特段ありません。会員登録も済ませました。

これで終わると面白くありませんので、一つ話題を。

ファンドの組成企業には開始時点で、以下企業が名を連ねているようです。

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「Funds」のHPより

これを見て「何でアイフルが?」と思いました。

話が脱線するのですが、私はアイフルのCMをよく見ます。CMを打つということは、アイフルとしても、資金の貸し手を探している状態なのでしょう。わざわざ個人投資家から資金を集めてまで、新たな資金の貸し手を見つける必要があるのか?などと思ってしまいました。

銀行系の消費者金融業者(アコムとか)ではないので、貸出資金を用意するのに相対的に苦労するのかもしれません。ただそれよりも、新たなサービスに参画していく・・・みたいなところに意義を感じたのでしょうか。

もちろん低金利で資金を集めることができれば、アイフルとしても嬉しいと思います。ファンド詳細が公開されれば何かわかるかもしれません。

Fundsに対しての疑問ではないですし、おそらく投資させていただきますが。

最後に

一つ注意だと思ったことは、ファンド組成者≠借り手(運用者)であることです。例を挙げると、ファンド組成者はアイフルですが、運用者はその関連会社です。関連会社に対してのリコースローンですのでアイフルの社債を買うのと同じリスク量で考えることはできません。

投資家はファンド組成者から返済を受けることになること、ファンド組成者は関連会社といった関係から、助け舟を出したりするかもしれません。

昨今のソーシャルレンディング業界は「案件リスク」よりも「事業者リスク」にスポットが当たっており、他人に推奨できるような事業者が減ってきているように思います。

「Funds」サービスに期待したいと思います。

このサービスが気になった方は、以下バナー先よりチェックしてみてください。

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