ニッセイ インデックスファンドの報酬率引き下げ!三菱も追随するか?【最安の座は・・・!?】

ニッセイアセットマネジメントから、インデックスファンド6本の信託報酬の引き下げがアナウンスされました。

一番の目玉はやはり、外株インデックスファンドの報酬率引き下げでしょう。

税抜きベースで0.1090%から0.0999%への変更です。

少し細かく、見ていきたいと思います。

 

プレス内容

下記URLがプレスです。

https://www.nam.co.jp/news/fpdf/190523_press101.pdf

6/27以降より、外国株式以外にも、 国内債券、外国債券、国内株式(TOPIX、日経)、4資産バランスの6つのファンドの報酬率が下がるとのことです。

基本的には、委託会社と販売会社ともに報酬率が下がるような改訂ですが、外国株式だけは様相が異なります

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※上記URLより

全体で信託報酬は0.01%ほど下がっていますが、そのほとんど全てを委託会社が被る様な形となっています。

販売会社の料率がほとんど下がっていません。

おそらく、販社の理解を得ることができなかったのでしょう。

SBI証券や楽天証券では、投信の保有残高に応じてポイントを付与しています。

それを考えると、今の水準でもSBI証券は利益ほぼなし、楽天証券はむしろ赤字くらいです。

この2社に限った話ではないですが、販社ではこれ以上の値下げは許容できないでしょう。

委託会社目線

残高は1200億円弱ありますが、現在の水準でも委託会社に入る収入は年間で5,300万円ほどです。これがこの改定により、4,250万円ほどに下がります。

このファンドをいくら売っても全然商売にならないなと思ってしまいます。

ただし今後、消費者に浸透していくのは積み立てNISAや各社DCでラインナップされているような、料率の低いファンドでしょう。

「儲ける」という観点は捨てて、膨れあがっていくであろうインデックス業界でのプレゼンスを獲得することに意味を見いだしているのでしょう。

今の両立水準でも利益貢献はほぼゼロだから、どうでも良い的なマインドもある気がしますが??

我々消費者側は、手数料が下がってくれることは嬉しいのですが・・・

 

三菱UFJ国際投信について

インデックスファンド業界でバチバチとやり合っているのは、皆さんご存じ三菱UFJ国際投信のemaxis slimシリーズです。

信託報酬率は常に業界最安にすると銘打っているシリーズです。

今回のニッセイの変更に、間違いなく追随してくるでしょう。

外株emaxis slimファンドは、500億円以上残高が積み上がると委託会社の料率が下がる仕組みとなっています。

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2019年5末時点での残高は400億円ほどです。

仮に、

  • ニッセイのプレスを受けて、料率を0.0999%に下げる
  • その後、ファンド残高が500億円を超える

という事態が起きると、三菱が単独の業界最安ファンドを抱えるということになります

ニッセイはこれにも対抗していくのであれば、消耗戦という単語がふさわしい構造になります。

最後に

この2社の他に、インデックス業界に割って入るのは相当厳しい気がします

利益うんぬんではない、別観点の称号を奪い合っています。

日系大手の運用会社は銀行or証券or保険会社が親会社についており、親会社の頭が固いと思い切った行動を取ることはできないからです。

もう一つ思うこと

インデックスファンドの料率を下げる際には、必ず既存ファンドの料率を下げるようにお願いしたいです

「新しいファンドを設定し、料率を業界最安にしました!!」といわれると、投資家は今保有しているファンドを売却して、新ファンドに乗り換える必要があります。

すると、売却益に税金がかかったり、取得簿価の高いものを売却する必要があります。

まさかとは思いますが、既存ファンドの信託報酬をそのままにして、料率の低い新ファンドを設定するというセンスのない運用会社が出ないことを祈っています。