【高利回り投資】上場インフラファンドの分散投資効果は?
下の記事で、分散投資の重要性をまとめました。
株式との分散効果を効率的に得るために、インフラファンドへ投資することは非常に有効です。
内外株式・債券との分散効果についてデータにしてみましたので、紹介します。
伝統四資産の相関関係
インフラファンドの分析に入る前に、伝統四資産の相関関係をみてみます。
使用データについて
インデックスデータを直接とることができませんので、パッシブファンドの基準価格データで代用します。以下ファンドはいずれも分配が出ていません。
また、外国債券、外国株式ともに為替ヘッジなしです。
- 外国株式:DIAM 外国株式インデックスF<DC年金>
- 外国債券:DIAM 外国債券インデックスF<DC年金>
- 国内株式:DIAM 国内株式インデックスF<DC年金>
- 国内債券:DIAM 国内債券インデックスF<DC年金>
インフラファンドのデータと合わせるため、データ期間は2016年6月末~2018年12月末です。
相関係数
5営業日ごとのリターンを用いて相関係数を測定しました。
5日間隔のリターンを測定して、リターンの向きが同じなのか、違うのかを調べる・・・のようなイメージを持って頂ければ結構です。
表.伝統四資産の相関係数
それぞれの資産の列と行が交わっている部分が資産ごとの相関係数になります。
たとえば、外国株式と外国債券の相関係数は0.76となります。
相関係数が1に近ければ互いの資産のリターンの出方が似ていて、-1に近ければリターンの出方が逆方向。0に近ければ、互いのリターンに関係性はないといった具合です。
以下リンク先に相関係数の目安が記載されていますので、ご参考ください。
外国株式と国内株式の相関係数が高いのは、皆さんも想像に難くないのでしょうか。
外国債券と株式の相関が高いのは、為替変動の影響でしょう。
市場がリスクオフに進めば、基本的には株安、円高、債券高になります。
その証拠に、国内債券と内外株式は弱いですが負の相関が出ていることが確認できます。
この四資産でうまく分散効果を享受するためには、ポートフォリオに国内債券を組み込むことが有効です。しかし、国内債券の期待リターンは低く投資したくないといった方も多いのではないでしょうか。インフラファンドが株式との相関が低ければ、国内債券代替として分散効果を期待することができます。
(ヘッジ付外国債券は国内債券と近いリターンの出方になっていますので、これも選択肢に入ってくるでしょう。)
インフラファンドと伝統四資産の相関関係
使用データについて
インフラファンドは現時点でも複数ファンド上場していますが、時価総額の大きい以下2ファンドを均等に組み込むと仮定したインデックスを作成しました。
- タカラレーベン・インフラ
- カナディアン・ソーラー・インフラ
カナディアンソーラー・インフラが上場したのは、2017年10末ですので、それまでの期間はタカラレーベン・インフラ単体のリターンになります。
-
その他前提
- データ期間:2016年6月末~2018年12月末
- 分配金再投資
- 2銘柄のリバランスは毎月行う
濃い青の折れ線が自作したインフラファンドインデックスの推移です。
タカラレーベン・インフラは上場後、株価を12~13万円から10万円ほどまで落としましたので、初めの数ヶ月は右肩下がりに推移していますね。
相関係数
先ほど同様に、5営業日ごとのリターンを用いて相関係数を測定します。
表.インフラファンドと伝統四資産の相関係数
結果は見たとおりですが、インフラファンドと他四資産の相関係数はいずれも低い値となっています。
収益源泉が電力発電所の賃貸料ですから、株や債券とのリターンとは関係ないというのは、直感とも整合的です。
分散効果を得るためには、相関係数の低い資産をポートフォリオに組み込むことが有効ですが、インフラファンドは効率的に分散効果を得ることができる投資対象資産といえるでしょう。
最後に
2018年末のインフラファンドの値動きをみていて、小型株と同じような要因で売られているようにも見えました。個人投資家が手元にキャッシュを用意するために、一斉に売られるみたいな。。
上場投資信託ですので、株式やREITと似た仕組みを持った商品であるということは頭に入れておく必要があると思います。(ここでいう似た仕組みというのは、株やREITと同様、証券会社を通して東証で売買するという意味です。)
ただ、数字上はインフラファンドは伝統四資産と低相関であり、株式を保有している投資家からすると分散効果が期待できる資産だと確認できました。
(低相関であることだけが理由ではないですが、)私はインフラファンドに投資をしています。これからも分散先として保有していきます。
「インフラファンドって何。」と興味を持っていただいた方は、以下記事もご覧頂ければ幸いです。銘柄選択に役立つ?内容をまとめています。